株主総会実務についての連載も今回が最終回となります。今回は
株主総会終了後の実務についてお伝えします。
◇株主総会議事録の作成◇
上場非上場問わずあらゆる株式会社において、株主総会議事録の
作成が義務付けられています(法318)。
よって総会終了後は、速やか株主総会議事録を作成する必要があ
ります。
当該株主総会によって変更登記をする必要が生じるような場合、
予め議事録のドラフトを作成しておく等の方法によって、迅速に
作成することが求められます。
というのも、登記申請は株主総会から二週間以内にすることが必
要で、同申請にはの株主総会議事録を添付する必要があるからで
す。
◇株主総会議事録の内容◇
株主総会議事録には、会社法施行規則72条に規定された事項を
記載します。
具体的には総会が開催された日時・場所、議事の経過の要領及び
その結果、議長の氏名等です。
規定にはないものの、当該株主総会の決議が有効に成立したこと
を示すため、出席した株主の議決権数等も記載する必要がありま
す。例えば議事録の冒頭部分に以下のような要領で記載します。
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株主総会議事録
平成21年6月30日午前10時00分、当社本店において定時株主総会
を開催した。
株主の総数 5名
発行済株式の総数 200株
議決権を行使することができる株主総数 5名
この議決権の数 200株
出席株主数 5名
この議決権の数 200個
出席取締役 A、B、C、D
定刻、代表取締役Aは、定款第15条の規定により議長となり、
本総会は適法に成立したので、開会する旨を宣し、直ちに議事
に入った。
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なお、現行法では、株主総会議事録について作成者等の記名押印
は特に必要とされていません。
しかしながら多くの会社では定款に記名押印者についての規定が
あるので、その規定に沿って記名押印をする必要があります。
◇株主総会議事録の備え置き◇
作成された株主総会議事録は、総会開催日から10年間、会社の
本店に備え置かなければなりません(法318Ⅱ)。
「備え置く」というのは、ただ単に保管をすれば良いものではな
く、閲覧権者から請求があった場合に、その用に供するような状
態を指しますので、この点に注意しましょう。
◇変更登記、変更の届出◇
あらゆる会社において、登記事項に変更が生じた場合はその変更
の登記申請をしなければなりません。
多くの会社で必要とされる変更登記は、役員変更の登記です。役
員が改選された場合だけでなく、任期が到来し再任された場合に
も変更登記が必要となる点に注意しましょう。
許認可や登録を受けている会社の場合、その登録・届出事項等に
変更があった場合、変更の届出が必要となります。
登録・届出事項等は各許認可の制度により異なりますので、一概
には言えませんが、役員改選、増資の場合等に変更の届出が必要
となることが多いと言えます。
その他業種によっては変更の届け出以外にも、事業報告書の報告
等が必要となる場合がありますので、法務を担当される方は各社
が該当する業法の規定を漏れなくチェックしましょう。
◇計算書類の公告◇
会社は定時株主総会の終了後遅滞なく、計算書類の公告をする必
要があります(法440)。
公告方法は各社の公告方法による必要があり、多くの会社は官報
によることとなります。
但し、上場会社等の会社で金融商品取引法の規定により有価証券
報告書を提出しなければならない会社については、EDINET(※)
等を通じてより詳細な情報が開示されるため、同公告義務は免除
されています(法440Ⅳ)。
以上で株式会社の実務については終わりとなります。
次回からは「そもそもシリーズ」と題し、会社法務の基本的な部
分を実務の話を交えながらお伝えしてゆきたいと思います。
※金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する
電子開示システムのこと。http://info.edinet-fsa.go.jp/
司法書士事務所トリニティオフィス
代表司法書士 磨和寛
