前回まで、株主総会の準備手続についてお伝えしました。
今回は株主総会当日の運営についてお伝えします。
◇開催形式◇
株主総会は、株主が一堂に会し、会議体を構成して行われます。
株主総会を構成するのは議決権ある株主であり、構成員以外の参
加者としては取締役や監査役などが挙げられます(法314)。
株主総会の議長を誰が務めるべきかについて、会社法は特に規定
しておらず、議長がいない株主総会も想定しています(規72Ⅲ
⑤)。
実務上は、上場・非上場問わず多くの会社で定款をもって代表取
締役を定めています。
—-〔定款記載例〕—————————————
(株主総会の議長)
第○条 株主総会においては、代表取締役が議長となる。ただし
、代表取締役に事故があるときは、あらかじめ取締役の過半数を
もって定めた順序により他の取締役が議長となる。
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◇議長の権限◇
議長の権限について、会社法は「株主総会の秩序を維持し議事を
整理する」こと、「命令に従わない者その他当該株主総会の秩序
を乱す者を退場させることができる」ことの2つを規定していま
す(法315)。
その他、判例や学説などにおいて、以下のような権限があるもの
とされています。
・議事の進行(開会の宣言、閉会の宣言)
・傍聴の許可
・合理的理由に基づく株主の着席位置の決定
・議案の上程方法(個別上程か一括上程か)の決定
・株主の発言時期を指定する
・株主1人あたりの発言時間を制限する
・長引いた株主の発言を制限する
・株主1人あたりの質問数を制限する
・審議をつくした上での採決に移る
・採決の方法を決める
◇取締役等の説明義務◇
取締役や監査役は、株主からに特定の事項について説明を求めら
れた場合には、必要な説明をしなければなりません(法314)
。
ポイントは「特定の事項」についてのみ説明義務が生じるのであ
り、一般的な事項、抽象的な事項については同義務が生じず、法
314条に定める一定の場合にも同義務は生じません。
◇決議要件と決議方法◇
審議を尽くし採決するに期が熟したときに、議長は議案の採決を
とります。
採決方法は挙手、起立、拍手、投票等、出席株主の意思を確認と
れる方法であればいずれでもよいとされています。
ただし、賛否が明確でない場合には、あいまいな方法で採決する
ことが決議取消事由とされることがあるので、注意すべきです。
決議要件は、議案によって「普通決議」「特別決議」「特殊決議
」に分かれます(法309)。
◇担当者がすべきこと◇
以上のようなことなどを踏まえ、総会実務を担当する者は、会場
の準備、運営シナリオの作成、想定問答の作成など、議長をアシ
ストしながら、総会運営を円滑に進める役割を担います。
では、次回は株主総会終了後の実務についてお伝えしたいと思い
ます。
