◇総会へ提出する議案の決定方法◇
前回お伝えしたとおり、
株主総会の決議事項(議案)を株主総会に提出するためには、
ア)取締役会非設置会社では「取締役の過半数による決定」を、
イ)取締役会設置会社では「取締役会の決議」を経る必要があります。
代表取締役の一存では議案内容を決められないことに注意が必要です。
会社法の規定によれば「取締役会の決議」については、
取締役会議事録として書面(又は電磁的記録)化しておく必要がありますが、
「取締役の過半数による決定」については
書面(又は電磁的記録)化する必要がないとされています。
しかしながら、万が一の事後トラブルを防止するためにも、
「取締役の過半数による決定」についても
書面(又は電磁的記録)化として残しておくべきでしょう。
記載例は以下のとおりです。
—————————————————————–
(取締役の決定書の記載例)
当会社の取締役は、臨時株主総会の開催について、
その過半数の一致をもって以下のとおり決定した。
開催日時 平成21年×月○日午前10時から
開催場所 当社本店会議室
総会の目的事項 議案 ~に関する件
—————————————————————–
(取締役会議事録の記載例)
議長は下記のとおり、当社株主総会を開催したい旨及びその理由を述べ
その可否につき諮ったところ、出席取締役は全員一致をもってこれを承認した。
開催日時 平成21年×月○日午前10時から
開催場所 当社本店会議室
総会の目的事項 議案 ~に関する件
—————————————————————–
◇決定する議案の具体的内容◇
決定する内容は上記のように
「~に関する件」等と簡潔に済む場合もありますが、
そうでない場合もあります。
Ⅰ.株主が1000人以上いる場合
会社法の規定により書面決議が会社に強制され、
株主に対して「株主総会参考書類」を交付する必要が生じます。
そして、「書面決議を可能とする旨」及び「株主総会参考書類の内容」を
「取締役会決議」又は「取締役の過半数の一致」で、
決定する必要が生じます。
但し、上場会社については金融商品取引法の規定に基づき委任状の勧誘を
行っている場合は除外されます。
Ⅱ.議案が役員選任、増資、定款変更等の場合
上記Ⅰ.以外の場合で総会議案が役員選任、増資、定款変更等のように、
会社の重要事項の決定である場合は、
その「議案の概要」を決定する必要があります。
会社施行規則上、「議案の概要」と規定されているだけで、
概要とは何かまでは規定されていませんが、
例えば取締役の選任であれば「取締役を新たに1名、候補者を●●氏とする」
という様に、出来る限り具体的に決定する必要があるでしょう。
しかしながら、具体的な概要が確定していない場合には、
その旨(確定していない旨)を決定すれば良いともされています。
◇取締役会設置会社と取締役会非設置会社の相違◇
以上のとおり、取締役会設置会社も取締役会非設置会社も、
総会の議案決定手続はほぼ同様なのですが、
決定的に違うことが一つあります。
それは、取締役会非設置会社においては、
上記の手続きを経ない議案についても、
総会決議が可能であるということです。
翻っていえば取締役会設置会社においては、
上記の手続きを経ない議案の決議はなしえないことになります。
次回は株主総会の招集手続きについて、具体的にみていきたいと思います。
司法書士事務所トリニティオフィス
代表司法書士 磨和寛
