◇総会実務全体の流れ◇
前回は株主総会についての総論的なお話をしました。
今回から実務の話に入ります。
まず、総会実務全体の流れをみてみましょう。
1.取締役会の招集手続き
↓
2.取締役会開催
(株主総会の日時・場所、総会提出議案等の決定)
3.株主へ総会招集通知発送
↓
4.株主総会の開催
(報告事項の報告、議案の決議等)
5.総会終了後の業務(議事録作成、変更登記)
※ 「1・2」においては、取締役会非設置会社の場合は、
取締役の過半数の決定による。
◇総会実務の前提◇
総会実務の流れは以上のようになりますが、
法務担当者はそもそも「いつ」「いかなる事項」について
株主総会を開催すべきなのかを認識して開催の判断をする必要があります。
それについては
ア)株主総会における会社から株主への報告事項は何か
イ)株主総会における決議事項は何か
の2点を把握しておけば対応が可能です。
◇報告事項は何か◇
会社が株主総会で株主に報告しなければならない事項は、
定時株主総会における事業報告書の報告
(一部の会社ではそれに加えて計算書類の内容の報告)
くらいのものです。
会社法上、会社が株主に知らせなければならない事項は様々ありますが、
それらの大半は
ア)株主に対する通知
イ)株主に対する公告
の方法によると規定されており、
株主総会における報告事項はほとんどないのです。
確かに、株主に対する報告のためだけに毎回株主総会を開いていたら
効率性が悪いですから、
通知又は公告の方法で済ませることとしているのでしょう。
◇決議事項は何か◇
経営上の決定事項の中で
何について株主総会の決議が必要となるのかを
法務担当者は把握しておく必要があります。
具体的に言えば、
会社が増資をする場合、事業譲渡をする場合、多額の借入をする場合等、
いかなる場合に総会決議が必要になるのかということです。
ただ法務担当者が単独で、
全ての決議事項を把握し判断するのは容易ではありません。
というのも、
ア)株主総会決議事項は会社法の至る所に散らばって規定されており、
イ)会社の機関構成や各社の定款の規定により会社ごとに決議事項が異なるからです。
それに加え、ある事実が生じた場合に、
株主決議を通すべきか否かという法的判断を要する場面も生じます。
これらについては、市販の実務概説書の中に
総会決議事項について分かりやすく記載されているものがありますので、
それを上手く活用すればある程度は対応が可能です。
その上で疑問が生じるような場合や不安が残る場合は、
外部の専門家等にその都度問合わせをするのが最善であろうと言えます。
◇総会決議事項が生じたら◇
株主総会の決議の必要な事項が生じたなら、
まずそれを議案として総会に提出するための決定を
する必要があります(上記「総会実務の流れ」参照)。
この決定は
ア)取締役会のない会社では「取締役の過半数の決定」で、
イ)取締役会のある会社では「取締役会の決議」で
する必要があります。
次回以降、具体的に見ていきます。
司法書士事務所トリニティオフィス
代表司法書士 磨和寛
